20230216 I'm Sorry
- ろばすけ

- 2023年2月16日
- 読了時間: 2分
ラスアスE5
人生は失うことの連続だ。
こんな世界になってからはなおさら、得るものの方が少なく、なにかを持ち続け、誰かと共にい続けることはものすごく難しい。
I'm sorry.
あの子が使っていた筆談のための小さなボードに、エリーが最後に書いたのはそんな一言だった。
思えばあの子が他の「子供」と一緒にいるのを見たのはこれが初めてだった。
あんな素の笑顔だって、見て初めて「今まで見たことがなかった」と気づいた。
もちろん長い付き合いじゃないが。
子供には同じ年ごろの「友達」ってものが絶対に必要だ。そんなことはわかり切ったことだ。
でも今、どんな珍しい食べ物や薬や衣服なんかよりも、一緒にただ笑って遊べる存在を得ることの方がはるかに難しい。
最後の晩、あの子たちがどんな会話を交わしたのか。
聞こうとは思わないが、確かにひととき、俺たちは「4人で旅を続ける」ことを夢想した。
俺はもう、「期待」を抱くことをこそ畏れるようになってしまった。だから正直、それがずっと続くなんて想像はしなかった。
だがきっと、あの子たちはひととき夢見ただろう。
まるで新しい家族みたいに。エリーにとっては初めての兄弟を得たような気分で。
I'm sorry.
その言葉がいったいどんなやりとりに続くものだったのか。
俺はきっと、怖くて聞けやしないのだ。
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