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20230208「聖域」 #jktm
「彼ら」はここを「聖域」と呼ぶ。 大切にしていないくせに、と思うけれど、聖なるものを貶めるのはいつだってそれを利用する人間のほうだ。 そう考えると確かに、彼らは堕落した聖職者みたいなものかもしれない。 だったら俺は何だろう? 聖像を磨く用具係かなにかかな。...
2023年2月8日


20220207「チョコレート」#jktm
去年のお誕生日に書いたのの再録 jktm(近未来AUみたいなやつです) 1 毎週月曜日に、俺は決まった電車に乗る。 ロンドンまで三時間弱。毎週通うなんて最初は断ろうかと思った仕事だったんだけど、習慣になると列車での時間の潰しかたも慣れたものになる。...
2023年2月7日


20230206 「親子」
私は昔から母さんが嫌いだった。 父さんと母さんが離婚して、父さんと暮らすことになったらいいのに、って真剣に夢に見てた。 父さんは優しいし私をむやみに非難しないし、なにか変わったことをしてもあきれた顔をするんじゃなく、一緒に面白がってくれた。 私は母さんの口癖が嫌いだった。...
2023年2月6日


20230205「仕事」
仕事を探してるなら、いいくちがある。今とても、手が足りないから。縫製も教えてもらえるだろうから、将来も役に立つよ。 そう言って私を世話してくれたのは、近所に住んでいるヒルダおばさんだった。 行き先は、軍の縫製工場。 まず最初に、その大きさに驚いた。...
2023年2月5日


20230203「終わり」#TLOU
The Last of Us S1E3 人生をまっとうする、ということについて最近よく考える。 こんな世の中で、それはきっとものすごく贅沢なことなのだと思うけれど。 僕の身体は、最近僕のいうことを聞いてくれなくなりつつある。...
2023年2月3日


20230202「バスルーム」#TLOU
The Last of Us S1E3のネタバレです。見てからどうぞ。 「またここか」 いきなりドアが開いたと思ったら、そこにビルが立っていた。 彼のあきれ顔に対して、僕は裸のまま、浴槽につかったまま、目も合わせず返した。 「ノックくらいしてくれないか」と。...
2023年2月2日


20230201「日焼け」#RH
この間の「マルセイユ」の続き的な 「日焼けした?」 『ああ、わかるか? ちょっと痛い』 半信半疑で聞いたら、ジェイクはそう言ってちょっと笑って、自分の頬に手を当てて見せた。 乗艦前に連絡する。 そう言われていたけど、ちょうど俺が寝る前にコールがきた。今ジェイクはフランスにい...
2023年2月1日


20230131「フォトグラフ」#Protagoneil
「ちょっと見物でもしていく? インド門がすぐそこ。世界遺産だし、フェリーでエレファンタ島にも行ける」 ニールがそう声を掛けたのは、もちろん冗談のつもりだった。 「彼」とは少し前に「初対面」を果たしたばかりだ。ニールが何者かわかっていない「彼」は、案の定彼の言葉に訝しむような...
2023年1月31日
INDEX-202301
2023年1月 0131 「フォトグラフ」 ☆映画「フォトグラフ」を見て書いた主ニル妄想 0130 「苺」 ★The Last of Us S1E3 0129 「娼婦」 ★(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ)...
2023年1月31日


20230130「苺」
The Last of Us S1E3のネタバレです。見てからどうぞ。 「大事なのは距離感」 フランクはことあるごとにそう言った。 「どんなに親しい関係だって一人の時間は必要だ。そうだろ?」 もちろんそのとおりだ。 実際のところ、俺は一人でやることがいくらでもあった。...
2023年1月30日


20230129「娼婦」
三十五年も経ったら、ふつう人はすっかり変わってしまう。 私はあなたにとって「夢の女」だった。だから、本当には手に入らない、とわかったら強引に犯して「手に入れた」ことにした。 あなたにとって「女」は、聖女か娼婦かのどちらか。...
2023年1月29日


20230128「島の記憶」
新しい生活を始めて、それにすっかり馴染んでしまうと、あの島での生活が夢だったように思えることがある。 生まれ育った場所なのに、古い恐ろしい物語の一場面に居合わせてしまったかのような、そんな気持ちになる。 投げつけられた血まみれの指も、岩だらけのやせた土地に吹き付ける冷たく湿...
2023年1月28日


20230127「勘違い」#RHドロライ
「まだ」付き合ってないふたり 『六月の最初の週に休暇を取ろうかと思ってるんだけど、予定は?』 ある日ハングマンから送られてきたのはそんなテキストだった。 ずいぶん先の話だったから少し驚いたけど、俺は「俺はその週から海上勤務だ」と返さざるを得なかった。 『そうか。わかった』...
2023年1月27日


20230126「マルセイユ」#RH
『今、マルセイユだ』 家で分厚いマニュアルを読んでいる時間だった。 ふいに入ってきたそんなメッセージのすぐ後に、まぶしいくらいの青空と、教会らしい古い美しい建物が映っている写真が送られてきた。 もちろんジェイクからだ。 数ヶ月の海上勤務の間、連絡は途絶えがちになる。それは当...
2023年1月26日


20230125 「エゴイスト」
あの頃の彼と俺の関係は、なんていうか。 彼にとって俺を構うのは、猫に餌をやるのと変わんなかったんじゃないかと思う。 それでも俺は嬉しかったし、別に否定するつもりもないし、それも愛だろって言えばそうなのかもしれないけど。 「俺がしたかったことに付き合わせただけなんだ」...
2023年1月25日


20230124「寒波」#RH
「ほらこれ」 コートを着込んだところでそう言って差し出されたのは、ニット帽だった。 「え? いや、俺はいい。似合わないんだ」 かぶり物は苦手だ。事実だったからそう返したんだけど、ブラッドリーは引かなかった。 「今日は特に冷え込んでるからとりあえず持ってけ」...
2023年1月24日


20230123#RH「日常」
「ブラッドリー・ブラッドショー!」 ジェイクはそんなとき、いつもその「特別な」声で、恋人をフルネームで呼んだ。 もちろん完全に、部下を叱責するときの声だし、その瞬間ブラッドリーは20年近くの軍属で染みついた反射で彼のところに飛んでいって背筋を正してしまうのだった。...
2023年1月23日


20230122 #RH 「狂気」
(付き合ってないふたり) 裸のまま仰向けになって、ただ目を閉じていた。 からかうような、問いかけるような指が脚を辿って行って、彼が何を気にしているのかわかった。今俺の体はここ数日の飛行訓練でアザだらけになってるから。 だから、俺は言った。...
2023年1月22日


2023.1/21 「弱点」 #RH R18
イベント展示でした。
2023年1月21日


2023.1/20「夢」
「虫が苦手なの?」 そう言って彼は笑った。 「なんでだよ。君の方が圧倒的に大きいし強いだろ」 「でも動きが読めないし、なんかやなんだよ」 僕がそう返したら、彼は不思議そうな顔をしながら明かりを消した。 部屋のなかをめちゃくちゃに飛び回っていた羽虫は、周囲が薄暗くなると...
2023年1月20日
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